掲示板「観普賢菩薩行法経の一節」

今月の掲示板は「観普賢菩薩行法経」の一節です。

〈衆罪如霜露 慧日能消除 是故應至心 懺悔六情根〉
訓読では「衆罪は霜露の如し 慧日能く消除す 是の故に至心に 六情根を懺悔すべし」と読みます。

この観普賢菩薩行法経は法華経の結経にあたるとされています。
お釈迦様がインドの霊鷲山で法華経を八ヶ年間説かれたあと、この経典が大林精舎にて説かれました。お釈迦様ご入滅の三ヶ月前のこととされています。

懺悔(サンゲ)について説かれているため、別名「懺悔経」とも呼ばれ、六根(眼・耳・鼻・舌・身・意)清浄の懺悔について書かれているのが特徴です。
「どっこいしょ」の語源でもある六根清浄は、法華経「法師功徳品第十九」にも登場します。

私たちは知らず知らずの間に、身も心も煩悩や衆罪によって正しい心のあり方や見方、行動ができなくなっていきます。
その不浄となった六根を清浄にするには、厳しい修行を続けることが必要と思われがちです。

しかし、人の罪というのは霜や露のようなもので、太陽に照らされれば自然に消滅してしまうように、智慧が生じれば多くの罪業も自然に消滅するであろうと、この経文は示しています。
それにはまず、法華経を信じ続け、お題目を唱えることが肝要です。それが智慧を磨く修行となって自ずと六根清浄となり、本来の心のあり方や見方、行動へとつながっていくのです。

※衆罪…多くの罪業・罪障
※慧日…智慧が煩悩や罪障を除く事を太陽に例えた言葉
※六情根…六根のこと
※懺悔…罪を告白し心を改める事

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