掲示板「妙法蓮華経 観世音菩薩普門品第二十五」

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本章では、無尽意菩薩がお釈迦様に観世音菩薩の名前の由来を尋ねるところから始まります。
お釈迦様は「諸々の苦悩を受けんとする衆生が、この観世音菩薩の名を聞いて一心にその名を称えるならば、菩薩は即時にその音声を観じ、みな苦悩を免れることができるためその名がある」と答えます。
救いを求める者が観世音菩薩の名を念ずれば、七難を免れ、三毒を離れることができる。そして、観世音菩薩は三十三身を現じ、人々を救済されると説くのです。

【観世音の意味と観音信仰】
観世音とは「世の音を観ずる(観る)」と読み、世の中の人々の声(音)を観ずるという意味。普門品の普門とは「普くすべての人に開かれたの門」という意味です。また、観世音菩薩は、観自在菩薩や救世菩薩とも呼ばれます。
私たちが声を出ますと、すぐさま観世音菩薩はその声がどんな意味のものであるかを観察し、聞き分けて、たちどころに悩みや不安を解決して悟りに導いてくれる。このことが観音信仰の由来となっています。
この品は「観音経」として単独で流布し、中国・日本では観音信仰の典拠となりました。あまりに有名なため、独立したお経のように思えますが、実は法華経の25番目にあるお経なのです。

【七難と三毒】
七難とは、火難、水難、羅刹難、刀杖難、鬼難、伽鎖難、怨賊難のことで、物質的・肉体的な苦しみを表します。これら七難を免れることができるとされ、それが現世利益に結びついています。
三毒とは、貪・瞋・痴のことで、精神的な苦しみを表します。観音様の力によって、物質的・肉体的・精神的な苦しみを免れる、それらの力が観音信仰へと繋がっていったのです。ですが、心の修養を積んだものに対して、お釈迦様や菩薩は現世利益を与えてくれるということを忘れてはなりません。

【六観音と三十三身】
観世音菩薩にはいくつもの有名なお姿があります。六観音と呼ばれる場合は、千手観音、聖観音、馬頭観音、十一面観音、不空羂索観音、如意輪観音を指します。
観世音菩薩は三十三の姿に身を現じて人々を救うと説かれます。ここでの三十三の姿は、人を導くため相手の気持ちに合わせ、互いに共感し合うことが目的です。大切なことは、観世音菩薩の救いを願って安心をいただくのと同時に、私たち自身も菩薩である自覚を持ち、三十三身のように相手の心に応じて救済していく役目があるということです。それがお題目・法華経信仰です。三十三身は三十三心なのです。

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