令和元年12月の掲示板は「妙法蓮華経 如来神力品第二十一」です。
本章では、従地涌出品第十五で登場した「地涌の菩薩」たちが、お釈迦様の滅後に法華経を弘めることを願い出ます。
するとお釈迦様は大神力を現したのち、地涌の菩薩たちに法華経の功徳を説きます。
それは説き尽くすことのできない程の功徳ですが、要約して教示するならば「如来の一切の所有の法(仏様の説くすべての真理)」「如来の一切の自在の神力(仏様の一切の自由自在の力)」「如来の一切の秘要の蔵(仏様の一切の深遠な教え)」「如来の一切の甚深の事(仏様の一切の深い事柄)」という4つの事柄であると説かれます。
これを四句要法(しくようぼう)と呼びます。
また続けて、「この処は即ちこれ道場にして・・・」と説かれ、どのような場所であっても「塔を起てて供養」すれば、そこは道場(さとりを得る場)であることも説かれます。
これは「即是道場」と呼ばれる教えで、法華経の説かれる場所は道場であり、その道場が場所や時間(時代)に縛られていないことを意味しています。
日蓮聖人は先ほどの四句要法をお題目そのものであると考えられ、お釈迦様は上行菩薩をはじめとする地涌の菩薩にお題目を授けられたと解釈されました。
そのため、末法にお題目を弘めたご自身を上行菩薩になぞらえ、最終的に自身が上行菩薩であるとの自覚を持つに至ったのです。