平成31年1月の掲示板は「妙法蓮華経 勧持品第十三」です。
この章(品)では、見宝塔品第十一の中でお釈迦様が「自分の滅後、この娑婆世界で法華経を弘める者にこの法華経を付嘱(委嘱)したい」と呼びかけたことに対し、多くの菩薩たちが「私たちこそが悪世において、この経を弘めたい」と申し出る様子が説かれています。
「勧持」とは「経(法華経)を持(たも)つことを勧める」という意味であり、「忍耐」という意味も含んでいます。
この章の冒頭、薬王菩薩や大楽説菩薩たちがお釈迦様に法華経を弘めることを申し出ます。
次に、お釈迦様の養母であった摩訶波闍波提、妃であった耶輸陀羅に対し、お釈迦様は成仏の記を与え、それら比丘尼たちも他方の国でこの法華経を弘めたいと申し出ました。
また、高い位に到達している菩薩たちは、数々の困難や迫害に遭遇しようとも法華経を弘めていくという覚悟を述べます。
その中には「三類の強敵」と呼ばれる、法華経弘通者に迫害を加える悪人たちのことも挙げています。
勧持品の中に説かれる数々の迫害について、日蓮聖人はご自身の身に当てて考えられ、自分が受けた数々の迫害こそが法華経の真実性の証明だと捉えられました。
「この経を弘めようと思えば、数々の困難や迫害に遭う」という法華経の教え、それを身をもって実践されたのは日蓮聖人ただお一人なのです。