いよいよ最終回を迎える大河ドラマ「青天を衝け」。
本作の主人公となった渋沢栄一といえば、世界遺産「富岡製糸場」の開業に関わったことでも知られ、作品では渋沢の従兄で初代製糸場長となった尾高惇忠(おだか じゅんちゅう)の半生も描かれました。
その尾高と親交のあった人物に、富岡製糸場(富岡製糸所)第3代所長・第5代場長を勤めた速水堅曹(はやみ けんそう)がいます。明治3年(1870)7月、尾高は、速水が設立した器械製糸工場「藩営前橋製糸所」を訪ねた際に、日本で初めて動く器械の軽敏さを絶賛し、以来ふたりは昵懇の仲になったといいます。その後、堅曹は富岡製糸場の民営化に尽力しています。
速水堅曹は当山住職の母方の高祖父にあたる人物で、去る平成28年7月17日、当山の盂蘭盆施餓鬼会法要において、富岡製糸場世界遺産伝道師 速水美智子氏を招いて「故高森泰子様の曾祖父速水堅曹に関して」と題する特別講演をいただきました。
この度の大河ドラマ「青天を衝け」には、当山住職の父方の高祖父と伝えられ、平岡円四郎を一橋(徳川)慶喜公の小姓に推した川路聖謨、母方の高祖父にあたる速水堅曹と親交のあった尾高惇忠という、日本の近代化の幕開けに関わった先人たちが登場し、不思議な縁を感じます。
なお、アイキャッチ画像は、志村和次郎著『絹の国を創った人々―日本近代化の原点・富岡製糸場―』(上毛新聞社、2014年)より転載したもので、渋沢栄一と速水堅曹の肖像写真が表紙を飾っております。
*国立国会図書館次世代システム開発研究室の次世代デジタルライブラリーでも、速水堅曹関係文書を閲覧できます。
(文責 高森大乗)
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