台東区有形文化財(彫刻)「木造日蓮上人坐像」一躯

 要傳寺本堂に安置されている木造日蓮聖人坐像は、本格的な中世以来の割矧造を用い、江戸時代初期の制作と推定されています。
 その姿は、僧綱襟の法服を着け、七條袈裟を左肩上に結び、左手に経巻を、右手に笏を持し、正面を見据えて結跏趺坐する形状で、玉眼嵌入された美しい瞳と慈顔温容の面立ちが特徴的な肖像彫刻です。
 本像は、平成7年(1995)に東京都台東区有形文化財(彫刻)に指定されました。
 像高41.0cm、頭長14.4cm、面幅9.3cm、耳張11.8cm、面奥14.1cm、胸奥16.7cm、腹奥18.3cm、裳裾奥34.0cm、膝奥29.0cm、膝張38.4cm、袖裾張57.3cm、膝高左8.5cm、膝高右8.4cm。作者・伝来は未詳。彩色は、像表面全体に漆塗を施した、古色仕上げとなっております。
 *尚、本像の実物は、当山(要伝寺)の檀信徒および関係者のみに拝観を許可しております。当山関係者以外の拝観、ならびに学術調査等には原則として応じられませんので、御賢察ください。

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