初秋の候、皆様如何お過ごしでしょうか。
お彼岸と言いますと、お墓参りをし、先祖に供養する日という印象があると思います。
しかし、この時期本来しなくてはいけないのは、先祖への感謝と共に、我々の生活態度・生き方・習慣を見つめ直し、生きていく糧を求めることです。
もともと、お彼岸は、この世(此岸)から浄土(彼岸)へ渡るために、六波羅蜜(布施・持戒・忍辱・精進・禅定・知恵)を実践することとされております。
簡単に言えば、法華経に説かれたような生き方をしましょうということです。
法華経にはたくさんの生き方が書かれております。
その一つに「常不軽菩薩(じょうふきょうぼさつ)」の生き方があります。
この菩薩は、お名前の通り「常に相手を軽んじない生き方をする」という生き方を示します。
我々は、見た目で相手を判断してしまうことが多いと思います。
しかし、こちらの菩薩は、たとえ自分を傷付けるような相手に対しても敬意の念を持っていました。
この生き方のおかげで、あらゆる苦しみを取り除いた仏様になりました。
自分を傷つける相手を尊敬することは、なかなか容易な生き方ではないと思います。
しかし、このお彼岸の時期に、そのような菩薩の生き方を見つめ、自らの生き方と照らし合わせてみてはどうでしょうか。