虫の命にも合掌

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 九州もいよいよ梅雨に入り、
不安定な天気が続くようになりました。
この時期、
しだいに姿を現す厄介者・・「ムカデ」。
我が家では毎年梅雨時に、
必ず一度は出くわします。
 昨年は、夜中に「ボトッ!」と音がして、
妻の悲鳴とともにゴソゴソと布団に向かって這ってくる20㎝程の大ムカデが出て、
ホウキとトングと殺虫剤でなんとか撃退できました。
こんな大きなムカデに、
もしも子供たちが噛まれでもしたら・・・と大の虫嫌いである妻は、
ここぞとばかりに四畳半サイズのウン万円もする「ムカデ対策蚊帳」を購入。
四方八方を囲われた防御壁(蚊帳)の中で、
やっと安眠を手に入れたようです・・。(嫁さんのムカデ騒動はこちら)
 私たちは、ムカデ→害虫→駆除☠と普通に考えますが、
この虫たちは人間の都合によってそう認識されているだけで、
害虫も人と同じ「命」を持っているのです。
    日蓮聖人は
      「螻(けら)蟻蚊虻(あぶ)等の小虫を殺せる者も
       懺悔(さんげ)なければ必ず地獄に堕つべし。
       譬えば針なれども水の上におけば沈まざることなきが如し。
       又懺悔すれども懺悔の後に重ねて此の罪を作れば
       後の懺悔には此の罪消えがたし。」
    とお示し下さっています。
     螻(けら)•蟻•蚊•虻(あぶ)などの小さな虫を殺した者も
    懺悔しなければ必ず地獄に落ちる。
    たとえば、小さな軽い針でも、
    水の上に置けば沈んでしまうようなものである。
     私たちは、殺生してはいけないと聞くと、
    人を殺めるような大きな罪と思いがちです。
    しかし、殺生とは「命あるものの命を奪うこと」であるので、
    たとえそれが小さな虫であっても「大罪」となり、
    懺悔しなければ地獄に落ちると、ご教示されています。
    これは我が身を守る為に「パチン!」と蚊を殺すことも当然の事ながら、
    自分が幼い頃に何も知らずに寝ているところにムカデが這ってくれば、
    父や母は我が子(私)を守るためにムカデを殺していたかも知れません。
    親は我が子の為に罪を犯して守ってくれることもあったでしょう。
    私たちは、日々こうした罪の中に生きているのです。
    しかし、そこに懺悔が伴わなければ、
    「大罪」を犯したとして「地獄行き」なのです。
    「懺悔」のない「祈り」は、本当の「祈り」とはなりません。
                     (日蓮宗霊断師会 H27年9月法話より)
・・・「地獄」を信じる信じないはともかく、
ご先祖さまや神仏に日々の安穏を祈ると同時に、
自身がやむなく犯した罪への懺悔を心がけ手を合わせましょう。

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