2月20日前後、全国的にとても暖かい日が続きましたが、境内へ出てその香りに気がつきました。
玄関横の「沈丁花(じんちょうげ)」の花が開き始めており、毎年この花が咲き始めるとその香りに春の訪れを感じます。
この花の特徴といえばやはりその香りで、原産は中国ですが日本でついた沈丁花という名前は、香りが香木の沈香(じんこう)に似ていること、十字型の花が丁子(ちょうじ)に似ていることに由来しているそうです。
お寺ということで沈香をはじめ、白檀(びゃくだん)や伽羅(きゃら)などというお香の香りには一般のお方よりはよく接しているつもりですが、鼻の効かない拙僧は沈丁花と沈香の香りが今ひとつ結びつきません。
春の沈丁花、夏の梔子(くちなし)、秋の金木犀(きんもくせい)を香り高い三大香木と称するそうで、当寺には沈丁花が4本、金木犀が1本あります。ともによく香って季節を感じさせていただいておりますが、特にこの沈丁花は寒い冬が終わり暖かな春の到来を予感させる心躍る好きな香りであります。