何気なく手に取った本でしたが、とてもおもしろくすぐに読み終わりました。
副題は「情報なき国家の悲劇」とあります。内容はまさにこの通りで、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という孫子の言葉を思い出しました。いまさらですが、われわれお寺の世界も安閑とはしていられない危機感を覚えました。
さて、間もなく総選挙です。一部政治家たちの右往左往ぶりには本当に呆れてしまいますが、誰が当選するにせよ、その人たちにこの国のかじ取りを任せるんだから他人事では済まされませんね。宗報九月号の現宗研所長のコラムの『大衆の投票行動を意志決定の基盤とする民主政体にあっては、流布される情報が政治を動かすことになる。プロパガンダやマスコミ操作もまた、大衆レベルのマインドコントロールにおいて極めて重要な意味を帯びている』という一文は心に留めておいた方がいいですね。
あふれる情報を鵜呑みにするんじゃなく、自分の頭で考えて判断しなければ、取り返しのつかない事態になってしまいそうです。