私は以前読んで面白かった本を読み返しています。今は、ひそかに憧れている白洲次郎の「プリンシプルのない日本」です。「プリンシプル」とは、原理、原則とか、主義、信条といった意味ですが、この本は昭和二十年代、まだ戦後の混乱が収まりきっていない日本の政治や社会の状況に対する白洲氏の批評ですが、モノ的には比較することが無意味なほど豊かになった現在の状況と似ている点が余りに多いことに驚かされます。物事の原理や原則は時間が経っても変わることはないし、それを持たないものは、いつまでたってもブレまくっているということがよくわかります。