備前福岡の市 辻説法

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毎月第4日曜日、瀬戸内市長船町福岡にて「備前福岡の市」が開かれています。

開催地である瀬戸内市の長船町福岡は、中世の頃は山陽道と吉井川の結節点としてたいへん栄えた場所です。

有名な「一遍上人絵伝」にも「福岡の市」として登場し、歴史の教科書には典型的な中世の市としてその絵はよく掲載されているのでご覧になったことがあるかもしれません。

現在の福岡県や福岡市の名称も、実は備前福岡から由来しています。
徳川家康により筑前の統治を任された黒田如水・長政親子は、黒田家の先祖が住んでいた場所が備前国福岡だったことから、自分たちが住み始めた城を福岡城と名付け、そのあたり一帯を福岡と呼ぶようにしたとのことです。

由緒正しき備前福岡ですが、吉井川の氾濫などもあり、時代の変遷の中で繁栄を謳歌した商都としての面影をなくしていきました。

時代は変わって平成の御代になり、地元の人々が現代版の「備前福岡の市」を開き始めました。

毎月1回、地元の商工業者、農家等が食べ物屋さんを中心に数多くのお店を出して、地域内外から大勢のお客様を呼び込んでおり、令和4年4月24日現在で「備前福岡の市」は194回を数えています。

その「備前福岡の市」の目玉イベントが日蓮宗妙興寺ご住職 岡田行弘上人の「辻説法」です。

妙興寺様は大名黒田家のご先祖を祀っている地域を代表する名刹であり、ご住職岡田行弘上人はサンスクリット語に堪能、インド仏教に精通した日蓮宗を代表する学者として知られている方でもあります。

その岡田上人が、平成20年から毎月「備前福岡の市」にて「辻説法」と名付けた10~15分程度の短いご法話をなさっており、今回で165回を迎えています。

日曜日の午前9時からのご法話ですので、土日が忙しい僧侶としてはなかなか聴聞する機会がなかったのですが、本日は初めてお話を伺うことができました。

本日のテーマは「くじけない心」。ことわざや仏教書の一節を引きながら、わかりやすいお話を聴かせていただきました。

市には老若男女、いろいろな人が集っていますので、ユーモアを交えて興味を引きながら聴衆を飽きさせないお話のテクニックと自然と引きつけられるようなにじみ出る穏やかなお人柄に感銘を受けました。因みに写真の左側にいらっしゃるのは、奥様の岡田真水上人です。真水上人も日蓮宗僧侶であり、たいへん優秀な仏教学者として活躍されています。

辻説法の前にレジメを配布されており、次回の予告(5月22日)もなさっていますが、次回のテーマは「五戒」。これもまたとても興味深いお話になりそうです。

余談ですが、本日のお昼のNHK地域ニュースを見ていると、「備前福岡の市」の様子が放送されていました。岡田上人ご夫妻も仲良く映っていました。

 

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