シンガポール団参 ON VESAK DAY

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 シンガポール共和国は、1965年に成立した比較的新しい国です。淡路島より少し大きな島国に、約500万人が暮らしています。近年の経済発展はめざましく、アジアの経済拠点の一つとなっており、街を歩いていてもその勢いが感じられます。
 そのシンガポールの街中に、「日蓮宗五重山題目寺」があります。今回、縁あって妙勝寺檀信徒10名とともにこの題目寺を訪れ、地元の信者さんと一緒にVESAK  DAYの法要を営みました。
 VESAK  DAYは東南アジアの仏教国で広く認知されているお釈迦様のご生誕にまつわる聖日で、シンガポールをはじめいくつかの東南アジア諸国では国民の祝日となっています。毎年五月頃の満月の日、今年は五月十三日がVESAK  DAYでした。
 題目寺はお寺と言っても、七階建てのビルの最上階にあります。エレベーターで上ると、小学校の教室を少し広げたくらいの大きさの部屋に、老若男女約四十人の地元の信者さんが集まっています。中国系の方が多く、見た目は私たち日本人と変わらず、あまり違和感はありません。但し、日本語は通じませんので、コミュニケーションは主に英語。幸い当日は現地に住む日本人の方がいらしたので、通訳をしてもらいながら法要の準備をしました。法要は通常、英語と中国語で行われていますが、今回はそれに日本語を加えてもらいました。ですから、法要の中で唱える勧請や回向などは日本語、次に英語、次に中国語の順で行います。お経とお題目だけは全員日本語で唱えますから、ほっとしました。
 木鉦や太鼓は信者さんが交代しながら上手に叩きます。御宝前にはお曼荼羅・お釈迦様・日蓮聖人像が祀られており、このあたりは日本と一緒ですが、お花や果物のお供えは蘭やパパイヤ等さすがに南国風です。
 唱題が始まると信者さんは御宝前に進みお焼香をします。日本と異なるのは、この時花を浮かべた浄水を誕生仏に灌ぎ、涅槃仏にジャスミンの花のつぼみを供えることです。VESAK  DAYは釈尊の誕生と共に涅槃の聖日とも考えられているからです。
 唱題は三十分程続き、一人一人敬虔な祈りを捧げます。とても真剣で、有り難い感じがしました。日本語が通じないシンガポールの地でも日蓮聖人の教えがしっかりと受けとめられ、木鉦や太鼓の音と共に「南無妙法蓮華経」の声が大きく響いていることに深く感動しました。
 法要の後、信者さんたちの手作りの昼食を一緒に美味しくいただきました。言葉が通じないながらも、温かい気持ちを一緒にいただいたように思いました。

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