正月と仏教 平成31年1月
合掌 新年明けましておめでとうございます
新しい年になりました。昨日と何も変化はありませんが、1日過ぎただけなのに身が引き締まる新たな気持ちになりますね。
今年もよろしくお願い致します。
お正月という言葉の本来の意味は「修正(しゅしょう)の月」の略で「心身を正しく修める月」いう意味です。
昨年の自分の行動、言葉、心のありようを振り返り、自らを慚愧(ざんき)し(恥じり)、悪いところがあれば大いに反省し、新たなる気を取り込み一年の安泰を願って心身を正しく修める大事な月なのです。
修めるという言葉には心や行動が乱れず正しくするという字義があります。
そして、悪いところとは煩悩という心の乱れ、汚れです。
でも、欲と煩悩は違います。欲を持つことは決して悪い事ではありません。私たちの幸多き実りある人生を送るためには、財欲・色欲・食欲・名誉欲・睡眠欲が必要です。しかしこの欲は新たな欲を生み際限無く続きます。際限なき欲は心の乱れとなり、体の乱れにもつながり煩悩と変化していきます。そして心身に苦しみと災いをもたらします。
欲を持って生きる中で、恵まれていると感じたなら、欲を程々にして慎めば、物事は円滑に進んでいきます。
「衣食足りて礼節を知る」
礼節というのはなかなか難しいものです。礼儀と節度ですが、今の日本には少なくなっていっているように感じるのは私だけでしょうか。
お釈迦様の臨終の模様を描かれたとされるお経、遺教経(ゆいきょうぎょう)に「諸々の苦しみをまぬがれたいなら、知足を学びなさい」と
知足の教えは冨楽安穏を導きます。知足を知らない者は豊かであっても心は貧しい者。
知足を知る者は貧しくても心は豊かです。このように知足の教えが説かれています。節度を知ることは豊かな明日を知ることにつながります。
礼節をわきまえず、世界も日本の社会も我田引水的に昨今なってきているように思います。格差社会・無縁社会と言う今の世の中です。
修正の月を迎えて、足るを知って身を正すことによって心に余裕のある一年にしていきましょう。
法華寺霊神祭引用