第一章 葬儀について
今回は『枕経』『死装束』などについてご紹介します。
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その1
枕経(まくらぎょう)とは、本来生きている時に行うものと言われています (´ρ
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その2
平安時代中期、公家装束の単小袖(ひとえ こそで)が、男女の表着となり、麻や、絹ちぢみの単衣物(ひとえ もの)を帷子(かたびら)と呼ぶようになりました。
この帷子が、木綿で作られ、入浴の際に用いられて浴衣(ゆかた)となり、後年死者の湯灌も入浴と見なされて、死装束としての帷子を着せるようになったのです (´ρ)ヘぇー(´ρ
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その3
頭に付ける三角の布は死者のシンボルとしてイメージされていますが、その由来は、冠やはちまきの一種で、死者の顔をおおう「顔かくし」の変形とも言われています (´ρ
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Q21 枕経の意味
A 枕経(まくらぎょう)とは、本来生きている時に行うものと言われています。これから死を迎えるに当たり、仏の教えを聞きながら臨終を迎えるのが理想と考えるからです。
しかし、実際にはそうはいかないでしょうから、亡くなると僧が枕辺で臨終のお経を唱え、死者の臨終正念(りんじゅうしょうねん)を祈ります。
臨終正念の臨終とは、臨命終時(りんみょうじゅうじ)の略語で「命終の時に臨んで」と読み、死期せまって命の終わる間際のことですが、今では亡くなって直ぐということになります。
正念(しょうねん)とは、邪念・妄念の反対語で、心が散乱・動揺せずに安定し、正しく仏を想念し続けることを言います。つまり、迷妄を断って正しいさとりの智慧を得ることが仏教徒である私達の願いですから、死期に臨んで心乱れて邪念を起こすことなく、平常心を持続し、仏道成就を正しく念じつつ死を迎えることを望むのです。
枕経について経典には、「比丘(びく・出家修行者)のうち葬法をよくする者には、無常経並びに、加陀(かだ・韻文調の経文{きょうもん}・偈文{げもん})を誦(よ)ませ、死者のために咒願(しゅがん・祈願)させた」とあります。
ただし、枕経とは亡くなられた方の枕元でお唱えするから枕経と言うのであって、枕経というお経が特別にあるのではありません。ですから私たちは、法華経をお唱えいたします。
法華経の常不軽菩薩品(じょうふぎょう ぼさつほん)第二十には、臨終の時、虚空から法華経を唱える声が聞こえてきたと述べてあります。
Q22 死装束と納棺
A 湯灌・死化粧が終わり、納棺(のうかん)する前には、亡くなった人に、あの世に旅立つ衣装を着せます。その衣装のことを死装束(しに しょうぞく)と言います。
死装束は、経帷子(きょう かたびら)・白帯(はくたい)・手甲(てっこう)・脚絆(きゃはん)・白足袋・三角形の切(きれ)・頭陀袋(ずだ ぶくろ)等の旅立ちの装束のことを指します。
平安時代中期、公家装束の単小袖(ひとえ こそで)が、男女の表着となり、麻や、絹ちぢみの単衣物(ひとえ もの)を帷子(かたびら)と呼ぶようになりました。
この帷子が、木綿で作られ、入浴の際に用いられて浴衣(ゆかた)となりました。
死者の湯灌も入浴と見なされて、死装束としての帷子を着せるようになったのです。
この白地の帷子に、お経やお曼荼羅を書いたものや、生前各寺院を参拝して御朱印を集めたものが「経帷子」と呼ばれています。
経典には、「もし、お経を身上に佩び(おび) 衣中に書かば 決定(けつじょう)して退転(たいてん)せず 無上菩提(むじょう ぼだい)を得(う)べし 乃至(ないし) 命終(みょうじゅう)時に臨んで 心散動(さんどう)せず 一切の諸仏 現前して 安慰(あんに・心が安らぐ)す」とあり、経帷子の功徳の大きさが説かれています。
Q23 三角形の布の意味
A 三角形の布は、三角の切(きれ)や紙冠(しかん)・宝冠(ほうかん)・カミエボシ・マンジヌノ等と地方ごとに呼び名が異なっています。
これらは死者のシンボルとしてイメージされていますが、その由来は、冠やはちまきの一種で、死者の顔をおおう「顔かくし」の変形とも言われています。また、傘ずれを防ぐ物として、額に付けたとも言われています。
以前は、野辺送りに輿(こし)を担ぐ近親者が付けることもありました。これは、日光を恐れる為の覆(おお)いとも考えられます。
白という色については、清純無垢につながるため、死者の魂の浄化や死の汚れを払う意味があるようです。
民俗学的には、三角は蛇の紋に由来し再生を願うものと考えられています。
Q24 頭陀袋の意味
A 頭陀袋(ずだぶくろ)の頭陀とは、僧の仏道修行(衣食住に対する貪欲を払い除ける修行)を意味しています。僧が修行に出る時には、この袋に仏像や仏具を入れて首に掛けたと言われています。
死者に掛ける頭陀袋は飯米袋(はんまい ぶくろ)と言われることもあり、その中には、六文銭を印刷した紙や食料、煙草好きの男性なら煙草やマッチ、女性なら化粧品や櫛を入れました。
六文銭には、三途の川の渡し賃という意味があり、旅費を表していると言います。
★大阪豊能宗務所発行『供養の心としきたり』より★