令和6年能登半島地震 ⑥

倒壊した珠洲市本住寺の本堂

11日で発生から13年目となる東日本大震災。岩手県宮古市では、地震が発生した午後2時46分に合わせて多くの方が追悼の祈りをささげると共に、能登半島地震の被災地の復興を願い「絆」や「笑顔」などと記された凧が空にあげらたそうです。同じ震災の苦しみを乗り越えられた方々からの励ましの絆を、復興への希望と力にかえ、頑張って行きたいと思います。

3月7日、今回の地震で最も被害の大きかった奥能登珠洲市本住寺と妙珠寺の災害ボランティア活動に行かせて頂きました。朝6時30分に本山妙成寺の駐車場に集合。今回は軽トラックは必要ないので、私を含め5名の僧侶が1台の車両に乗り合わせ珠洲市に向かいました。

 途中の道路は復興支援に向かう車両が多数走行し、傷んだ箇所を何とか応急処置で通れるようにしている所もありましたが、早い時間に出発したため渋滞もなく8時30分に珠洲市「道の駅すずなり」に到着。そこから本住寺までは2km5分ほどの距離ですが、野々江町の信号を左折し本住寺のある正院町までの通りに入ると倒壊した建物が増え、テレビ報道で何度も視聴した深刻な被災状況が目に入ります。13年前に岩手県大槌町でのボランティア活動を行った時、津波で見渡す限り瓦礫となった街並みの記憶と重なりました。

 本住寺の本堂は完全に倒壊。白壁の長い塀も堀側に倒れ、庫裡も大きく傾き赤紙の危険判定が貼られています。向かいの曹洞宗の寺院も建物が全て倒壊していました。今なお断水も続いています。

 本住寺では御住職で宗務所長の大句哲正上人と副住職の大句哲史上人と共に、剥がれ落ちた石膏ボードの片付けや掃除。被災した庫裡の荷物や沢山の書籍、さらに宗務所の関係書類や荷物なども運び出しました。ヘルメットとマスクをつけての作業に皆さん汗をかきながら頑張っていました。午後からは、大句上人が代務住職を務める同市の妙珠寺にて、倒れた墓石にブルーシートを張る作業を行いました。

 当日は私たち「ボランティア能登」の僧侶5名のほか、北陸の日蓮宗青年会員の方や、以前七尾寺院のボランティア活動にも参加された新潟上越市のお上人が今回も参加されていました。本当に御遠路ご苦労様です。

 午後3時前には作業が終了し、帰りに珠洲の景勝地「見附島」に立ち寄りました。見附島のある宝立町鵜飼も震災の被害が大きく、砂浜には小型の漁船が打ち上げられるなど、津波被害の爪痕も残されていました。その見附島も地震の影響で大きく崩れ、見慣れた軍艦のような迫力のある姿は無くなっていました。けれども島は地震や津波で傷つきながらも残っていました。その傷つきながらも残る姿に、私は能登復興への希望を感じました。今後も有志の仲間と力を合わせ支援活動に取り組んでいきたいと思います。ボランティア参加の皆様お疲れさまでした。合掌

 日蓮宗では、このたびの能登半島地震に対し、下記の災害義援金勧募活動を行っています。皆様には何卒ご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 ◎日蓮宗の災害義援金
https://www.nichiren.or.jp/information/shuumuin/20240112-6652/ 

珠洲市 道の駅すずなり

珠洲市正院町の通り

本住寺ご住職・大句哲正 宗務所長(写真左)

被災した庫裡から荷物を運び出す

落下し散乱する石膏ボードを片付ける

見附島

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