皆さん、おはようございます。
貴方の心がこの3分間によって少しでも優しい心となりますように。
唐の時代の詩人、白楽天は、あるとき有名な高僧のもとを訪れ、質問をしました。
「仏の教えとは、つまりどのようなものですか?」
すると、高僧はこう答えました。
「あらゆる悪いことをするな、善いことだけをせよ、ということである」
それを聞いて白楽天は、「なんだ、そんなことなら、三歳の幼子でも言えますよ」と言いました。
すると高僧は、「三歳の幼子が正しく言えても、八十歳の老人ですら、それをきちんと実践することができていないではないか」と答えました。
それを聞いて、白楽天は、何も言えなくなり、ただ頭を下げるばかりでした。
この高僧が答えたお釈迦様の教えの意味は、「願諸衆生 諸悪莫作 衆善奉行 自浄其意 是諸仏教」といって、「どんな悪もなさず、あらゆる善いことをし、おのおの心を清くする、それが仏の教えである」という『法句経』に説かれる「七仏通戒偈」の教えです。
この高僧が答えた、悪いことをせず、善いことをせよということは、誰もが知っていることかもしれませんが、実際にはどうでしょうか?
私達は、善いことをしようと心がけて生きていても、ついつい、自分の欲を優先的に考えてしまい、人の気持ちが考えられなくなることがあると思います。そんなときは、相手を傷つけてしまう事や失礼な事を言ってしまうことがあり、悪い事をしてしまうことがあると思います。
例えば、この白楽天のように、私達は、そんな気はなくても、驕り高ぶったような振る舞いをしてしまい、善悪の判断が出来なくなりがちです。日頃からほんの少しでも心を清くするような生き方ができていれば、そうした驕りたかぶったような振る舞いは、自然となくなっていくと思います。高慢な気持ちを起こさないためには、まず相手の立場になって考えてみましょう。そうすると、色々なことに気がついてきます。
もし、あなたが誰かと喧嘩をしていたとします、相手のことを憎いと思ったとき、その相手の立場になって考えてみましょう。その人のことを、とても大事に思っている両親や家族、そして子供がいるかもしれません。それを考えたとき、驕り高ぶったような振る舞いをしていてよいのでしょうか。
私達は、今自分が生きていることは、当たり前のことではないのです。実は、周りの環境や色んなものや人々との出会いなど、あらゆるもののお陰で、生かされています。
生かされている自分に感謝を込め、心清らかに、明るく楽しい生活を送りましょう。それがお釈迦様の思いであり、教えでもあるからです。
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