大本山本圀寺 龍口法難会 布教院卒業試験

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 令和5年度日蓮宗布教院が京都市山科区大本山本圀寺(早川日章猊下)にて9月1日から9月14日の間開設され、全国より布教師を目指す僧侶13名が研鑽を積んだ。
 9月12日には、大導師に布教院院長 早川日章猊下、脇導師に布教院副院長 伊藤瑞康師(大本山本圀寺参与)、布教院主任講師 福井清周師(石川 立像寺住職)、講師 塚本智秀師(静岡圓恵寺住職)、監事 上田尚史師(京都 護国寺住職)、式衆に院生一同の下、宗祖日蓮大聖人龍口法難会並びに布教院歴代先師報恩法要が営まれた。檀信徒や信者合わせて約50名の方々が参詣され、お題目が堂内に響き渡った。
 引き続き、卒業試験を兼ねた高座説教が執り行われた。この度卒業試験に臨まれたのは今回の布教院で部長を勤める兵庫県妙法寺住職 園田尚弘師。「心の鏡に映るのは」と題してお話をされた。高座に上がられる前に園田氏は「積み重ねてきた以上のものは出ませんので、今までと同じように一生懸命勤めさせて頂き、宗祖また布教院で練磨されてきた先師の御心に添えるような高座が出来ればよい」と穏やかな表情で語った。高座説教に上がられた園田氏は張り詰めた雰囲気がある中で、一人ひとりを見渡すようににこやかな表情でご挨拶をされ、聴聞者の心を掴むように初めて布教院に入ったきっかけから話出された。日蓮聖人と日朗上人の子弟関係の熱い思いが描かれた繰り弁に移ると、その感動的な場面にハンカチで涙を拭う方が見受けられた。最後に園田氏は「鈍刀をいくら磨いても名刀にはならない。しかし、磨く本人は変わっていく。私は名刀にはなれなくとも、それを磨き続ける人になりたい。仏さまはその心を見守って下さると信じております。皆様にも心の鏡に映る自分自身を磨き、法華経、お題目のご修行とご信仰をお勧め申し上げます」と締めくくられた。
 名古屋から来られた女性は「高座説教が好きで、身延で行われた祖伝リレー高座説教にも行きました。貴重なご法話を聞けて大変有難く思います。」また涙されていた女性は「奈良から来ました。すごく良かったです。日朗上人の感情がとても伝わってきました。祖母の代から日蓮宗と繋がりがあり、このようなお話を聞けたご縁に感謝しています。」と語った。
 聴聞する人がいてくれるからこそ、高座説教をすることが出来る。院生達は全国より足を運んでくださった方々に感謝の念を忘れることはないだろう。布教院での研鑽を糧に、宗門興隆を担うべく、それぞれの自坊に戻っていった。

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