山科区日ノ岡宝塔にて春季亡霊追善供養法会

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 4月14日(火)京都市山科区日ノ岡宝塔(題目碑)にて京都府第一部宗務所所長橋本一妙師を導師に春季霊位追善供養法要が営まれ、参列者と共に粟田口刑場1万5千人処刑者の供養並びに立正安国と交通安全の祈願が行われた。
 この宝塔は、平安時代から明治時代の初めまで粟田口処刑場(現在の九条山付近)で処刑された約1万5千人の罪人の供養の為に建てられた。しかしこの宝塔は建て直されたものである。明治の初めまで刑場には各宗派が建てた宝塔が15基存在したが、形場が廃止されたと同時に廃仏毀釈により、全ての宝塔は取り壊され石垣や道路など様々な工事に転用、また放棄され埋没した。昭和に入り益々道路鉄道工事が盛んになり、埋没した宝塔の断片が工事中に発見。昭和14年、熱心な法華信者であった法華倶楽部創設者の小島愛之助氏が京都の日蓮宗寺院に呼び掛け、この宝塔の断片を基石として日ノ岡の地に新たに建立したのが現在の宝塔である。
 この秋に宝塔建立80周年を迎える。一度は取り壊され切断されるも、罪人の慰霊の為、立正安国の為にと、息を吹き返し脈々と受け継がれてきた宝塔。令和に入り、世の中が感染症で混沌とするなか、穏やかな春の陽に包まれた日ノ岡地で、波乱の歴史を乗り越えてきた宝塔が私たちを導き勇気づける。
 

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