平成30年度、第72回日蓮宗布教院が8月31日から9月14日までの15日間、京都市山科区大本山本圀寺(伊藤日慈貫首)で開催され説教師を目指す僧侶32名が研鑽を積んだ。
布教院は明治期から開設されてきた伝統ある宗門の教育機関であり、戦中は中断したが、昭和22年に復活して以来、多くの説教師を輩出してきた。
今年は院長に伊藤日慈貫首、副院長に川口智康師(京都市瑞光寺住職)、主任講師に豊田慈證師(愛知県法華寺住職)、講師に倉橋観隆師(兵庫県妙興寺住職)、幹事、助手、外来講師を迎え指導にあたった。
院生は朝5時の起床から就寝まで、模範説教の受講、祖伝・儀式の実習と高座説教の毎日であり、自主練習ができるのは消灯後のわずかな時間の中、祖伝を一字一句間違えず覚えようと、夜中まで練習に打ち込み昼夜常精進の15日間となった。
今年は、台風21号の影響で3日間、停電・断水という厳しい状況の中での開催であったが、15日間で300名を超す聴聞者があり、例年にない賑わいをみせた。
そんな厳しい状況下であったが、主任講師はじめ院生が力を合わせ15日間の布教院を無事修了した。
今年は、埼玉県円真教会担任星光照師が卒業し、院生達は布教院での研鑽を糧に、宗門興隆を担うべく、それぞれの自坊に戻って行った。