7月の掲示板は「お盆と施餓鬼」についてです。
お盆(盂蘭盆)と施餓鬼は本来違うものですが、供養するという共通点から〈盂蘭盆施餓鬼会〉としてお盆の時期に開催されることが多くあります。
仏教における盂蘭盆の由来は、釈尊の弟子で神通第一と言われた目連尊者が、餓鬼道に堕ちていた母の救済を釈尊に求めるという「仏説盂蘭盆経」の教えに基づきます。
目連尊者はお釈迦様の教えに従い、餓鬼道に堕ちた母の苦を救うため、雨安居の終わる7月15日に多くの僧侶や人々に衣食を供養した、という話が盂蘭盆の起源になっています。
施餓鬼は、一般的に盆行事の一つとして行われる法会のことです。
餓鬼道に堕ちた飢渇に苦しむ亡者に飯食を施す法会のことで、施食会(せじきえ)、冥陽会(めいようえ)、水陸会(すいりくえ)などとも称されます。
施餓鬼という儀式が日本にもたらされたのは、空海が入唐して『救抜焔口餓鬼陀羅尼経』などを将来したことによるとされます。
当初は密教の修法として用いられていたようですが、現在のような死者の追善供養を主眼とした施餓鬼が始まったのは鎌倉時代末頃とのこと。主として禅宗の僧侶によって行われ、その後、浄土真宗を除いた各宗が行うようになったといわれています。