今月の掲示板は「授記品第六」の一節です。
〈如以甘露灑 除熱得清涼 如従飢国来 忽遇大王膳〉
訓読では「甘露を以て灑ぐに、熱を除いて清涼を得るが如くならん。飢えたる国より来たって、忽ちに大王の膳に遇わん」と読みます。
法華経前半の主眼は二乗作仏です。法華経以前の教えでは成仏できないとされてきた声聞・縁覚に対して、未来に仏になるという保証を授けていきます。これを授記(じゅき)といいます。
授記品第六では、お釈迦様の高弟の迦葉・迦旃延・目連・須菩提の四大声聞に、成仏の保証が順次告げられます。
前章の薬草喩品第五でお釈迦様が成仏の喩えを示されました。それに対し、四大声聞が自分たちも成仏できる存在だということを知り、その喜びを表現して答えられたのがこの文なのです。
この文はとても大事な経文で、盂蘭盆会や施餓鬼会法要で必ずというほどお唱えします。
まもなく7月盆を迎えます。皆さま、体調を整えた上で熱中症などに気をつけ、お寺参り・お墓参りを行って下さい。