当山住職が、かつて支援募金会の日蓮宗担当事務局を務めたSAT大正新脩大藏經テキストデータベース研究会が、このたび設立30周年を迎えるにあたり、これを機縁として下記により仏教研究とDH国際シンポジウムが開催されます。本年はまた、SATデータベースの主なスタンダードテキストである『大正新脩大藏經』の刊行開始から100年目に偶中します。
シンポジウムでは、デジタル仏教研究を世界で牽引するアジア・欧州・北米の代表的な7つのプロジェクトの責任者から最先端の成果を公開いただき、国際的プロジェクトと日本の先進的DH研究者との交流を図るとともに、生成AIの人文学研究における可能性について、デジタル人文学を牽引するAI研究第一人者の大向一輝氏、西洋古典学の生成AIプロジェクトを率いる岩田直也氏らを迎え、激変する人文学研究環境の諸問題を考究します。
記
●デジタル時代の仏典研究とAIの可能性
日 時:2024(令和6)年12月21日(土)13:00
会 場:東京大学山上会館大会議室(21日)東京都文京区本郷7-3-1東京大学本郷キャンパス構内
内 容
【第一部 デジタル仏教研究の世界へ:大正新脩大藏經とSAT大蔵経の現在】
「大正新脩大藏經の歴史とSATの将来:AIと仏教研究」 下田正弘(武蔵野大学教授/東京大学名誉教授)
「SATの現在:大蔵経画像を用いた令和大蔵経編纂に向けて」 永崎研宣(慶應義塾大学教授/一般財団法人人文情報学研究所主席研究員)
【第二部 AIと思想研究・仏教研究】
「人文学研究とAI:現在・課題・展望」 大向一輝(東京大学准教授)
「西洋古典特化型AI「ヒューマニテクスト」の現状と展望」 岩田直也(名古屋大学准教授)
「仏教研究におけるAI活用」 永崎研宣(慶應義塾大学教授/一般財団法人人文情報学研究所主席研究員)
【第三部 総合ディスカッション】
●International Symposium on Buddhist Studies and Digital Humanities
日 時:2024(令和6)年12月22日(日)9:30~
会 場:伊藤国際学術センター謝恩ホール(22日)東京都文京区本郷7-3-1東京大学本郷キャンパス構内
内 容
【基調講演】
「AI時代における仏教研究」 下田正弘 (Musashino University / The University of Tokyo / International Institute for Digital Humanities)
「SAT大蔵経データベースとAI」 永崎研宣 (Keio University / International Institute for Digital Humanities)
【日本のデジタル・ヒューマニティーズプロジェクトを知る】
Short presentation & Poster/Demonstration session
【大蔵経のデジタル化】
「台湾仏教研究における大正新脩大藏經の引用パターンのAIによる抽出と分析」 JEN-JOU HUNG (Department of Buddhist Studies, Dharma Drum Institute of Liberal Arts, Taiwan)
「25年2500万頁: 仏教デジタル資料センターの最初の四半世紀と新たなプロジェクト」 Jann Ronis (Buddhist Digital Resource Center, USA)
「遠隔コレクションからデジタルアクセスへ ドラクマール写本コレクション(ネパール・ドルポ地方)」 Bruno Laine (rKTs - University of Vienna, Austria)
「Dhammachai Tipitakaシリーズの作成におけるAIの実装とデジタル化の可能性:4つの伝統的な貝葉写本に基づくパーリ聖典の新批判版」 Bunchird CHAOWARITHREONGLITH, PhD (Dhammachai Tipitaka Project, DCI Center for Buddhist Studies, Thailand)
【仏教研究と機械翻訳】
「MITRAサーチ:多言語近似検索による古典アジア言語による仏教文献の探索」 Sebastian Nehrdich (UC Berkeley, USA)
「機械翻訳と仏典: 我々はどこにいるのか? 我々はどこへ行くのか?」 Marcus Bingenheimer (Temple University, USA)
【仏教研究のデジタル化】
「デジタル化された中国仏典の計算*言語学への利用: 新たな展望」 Prof. Dr. Michael Radich (University of Heidelberg, Germany)
「AIは仏教学にとって呪いか祝福か? 利用者の立場から見た問題点と展望についての考察」 Prof. Dorji Wangchuk and Dr. Orna Almogi (University of Hamburg, Germany)
【総合討論】
参加費:無料
主 催:SAT大蔵経テキストデータベース研究会
共 催:大蔵経研究推進会議/一般財団法人人文情報学研究所/東京大学人文社会系研究科インド哲学仏教学研究室/東京大学大学院人文社会系研究科附属次世代人文学開発センター人文情報学部門/科学研究費補助金基盤(A)「汎用性から専門性へ――デジタル媒体における仏教学知識環境の新局面(JP23H00002)」
後 援:公益財団法人全日本仏教会/武蔵野大学仏教文化研究所/慶應大学文学部図書館・情報学専攻/慶應義塾ミュージアム・コモンズ