春のはじめの御悦びは、月のみつるがごとく、潮のさすがごとく、草のかこむが如く、雨のふるが如しと思し食すべし。(日蓮遺文『四条金吾殿御返事』)
粛頌新正
謹而新陽之嘉兆申述候 本年相不変懇親之程奉願候 合掌
1月8日は、釈尊の初転法輪会(しょてんぼうりんえ)です。「転法論(法輪を転ずる)」とは、仏陀が説法することを表し、「初転法論」とは、釈尊が成道の翌年、バーラナシー(波羅奈斯)近郊のサールナート(鹿野苑)において、かつて苦行を共にした五人の比丘に対して、初めて法を説いたことをいいます。
このとき釈尊は、四諦(苦・集・滅・道)の教えを説き、苦行主義でもなく快楽主義でもない「中道」という偏らない生き方を示して、その具体的方法として「八正道」を明かしました。「中道」とは、対立概念の否定(「AでもなくBでもない」という考え方)であり、対立概念の肯定(「AでもありBでもある」という考え方)にあたる「中庸」とは本質的に異なります。
具体的に「八正道」とは、正見(四諦を自覚した正しい見解)・正思惟(四諦を自覚した正しい考え・心持ち)・正語(四諦を自覚した正しい言葉遣い)・正業(四諦を自覚した正しい行為・所作)・正命(四諦を自覚した正しい生活)・正精進(四諦を自覚した正しい努力)・正念(四諦を自覚した正しい念想・観念)・正定(四諦を自覚した正しい精神統一・禅定・三昧)をいいます。
また、1月30日は、インド独立の父マハトマ・ガンディー(1869~1948)が、インドのニューデリーにて暗殺された日にあたります。ガンディー翁の名言、「Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.(明日死ぬと思って生きなさい。永遠に生きると思って学びなさい)」を、我々は常に心がけなければなりません。一年の計は元旦に有りです。