みなさんこんにちは。先日9/1夕方6時より第1回常在寺音楽祭「妙玄庭コンサート」が開催されました。
こつこつと準備していたコンサート、いよいよ当日。心配された天気ですが、「快晴!!!」雲一つない空です。台風(しかも二つ)はなかなか通り過ぎてくれないし、数日前の天気予報で雨の確率40%とあり、暗澹たる気持ちになっていたのですが、天気予報大外れ!今回ばかりは外れてくれて大助かりでした。
朝勤後、仕上げの準備に取り掛かりました。まずは山務員一同で「蚊取り線香」の設置。夕方からのコンサートなので、蚊の対策をしようということで「蚊取り線香」50〜60本ほどを針金に付けて、石段、桟敷席、妙玄庭等の観客席近くに括り付けていきました。(受付には虫除けスプレーを15本ほど用意してムシ対策は万全)コンサートの終了後に「そういえば蚊が全然いなかったね」という声が聞かれましたので効果あり!だったのではないでしょうか?やっておいてよかったようです。
ある程度の前準備が終わり、私はご法事が数件ありましたので、そちらに向かい帰ってきたのが正午過ぎ頃。もうPAの搬入が始まっていました。「常在寺信徒青年会」の方々にたくさん集まって頂けたので、その後の椅子の搬入、椅子並べ、石段にクッションを敷く、等の準備は驚くほどスムーズでした。たくさんの椅子は「西海園芸」さんにトラックを出して頂き素早く運ぶことが出来ました。どうも有難うございました。
「常在寺信徒青年会」の皆さんの「生ビール」「焼き鳥」等の準備も午後3時くらいまでに終わったようで、時間に余裕がありました。その夜店コーナーではもう何か始まっているようです。「前宴会」(笑)。「信徒青年会」の皆さん、缶ビール持参だったようです。これも楽しみの一つ。コンサート開演数時間前から、もう雰囲気ができつつあります。見ていて何かほほえましく、なんだか私まで楽しくなってきました。
どれくらいの人数のお客様にご来場いただけるか、非常に心配しておりましたが午後5時半くらいには続々と人が集まってきました。ピーク時には300人を超えるお客様だったようで、予想を上回る盛況ぶりで、「夜店コーナーの力」はすごい!と思いました。お年寄りから「昔々、お彼岸中には常在寺の石段を下りたところの沿道にたくさん出店が出て、それはそれは大盛況だったんだよ。」という話を何度か聞いたことがありましたが、こんな感じで賑わっていたのかなー?という想像をしました。
コンサートのオープニングは地元バンド「ハサミベンチャーズ」の演奏。かなりの大音量で大迫力の演奏でした。聞いている方々も懐かしいのでしょうか?次々と演奏される「ベンチャーズ」の曲に笑顔で大きな拍手を送られていました。
30分ほどの休憩時間には「夜店コーナー」「金魚すくい」「スーパーボールすくい」等でお楽しみ頂きました。午後7時からの「プロミュージシャンによるジャズ・ボサノヴァ演奏」の前に、数分間だけ「水琴窟」の音を皆さんにお聴き頂きました。
PAの酒井さんが「妙玄庭の水琴窟」の甕の中にワイヤレスマイクを仕込んでおいてくれたのです。「ポロン、ポロン」という静かな「妙音」にみなさん耳を傾けました。珍しさからか拍手も沸き起こったほどでした。演奏前の雰囲気を「自然の妙音」が作ってくれる。非常にお寺のコンサートに相応しい、いい雰囲気でした。
「Five Spot After Dark(ファイブスポットアフターダーク)」で幕を開けたジャズ演奏。渡辺優治さんのテナーサックスが夜の雰囲気を作っていきます。スウィングのリズムを刻むドラムの音、ウッドベースの音、ピアノのバッキング。ジャズ独特の雰囲気が辺りを包みます。
川棚町公会堂や常在寺の本堂でジャズコンサートをやったことはありますが、野外だとまた感じが違うものです。
9/1は旧暦の7月15日で、旧盆、そして二十四節気の処暑(暑さがやむという意味)でした。風が涼しく、もう本当に秋だなと感じました。そしてこの日はたまたま「満月」でした。赤みを帯びた、そして少し妖しげな凄みのある満月が、あたかも倉光陽子さんの歌と民谷利通さんのウッドベースのデュオで演奏されるボサノヴァを聴きに顔を出したようでした。お月様も演出のお手伝いをしてくれているようで嬉しかったです。聴きにきてくれた波佐見町のジャズ喫茶「ダグ」のマスターも「満月なんか出して憎いね!」なんて言ってくれました。
そしてこの日の隠し球(当ブログでは予告していましたが)、長崎県声明師会から不肖私と若手のホープ高野光尊上人が出演、「声明(しょうみょう)とジャズのセッション」を行いました。
「東日本大震災で亡くなられた方々の霊位と、ここにお集まりの皆さまのご先祖の霊位、そして今ここにこうして生きている皆さま(私達)の魂に祈りを捧げます。」とお話をして、対揚(たいよう、声明の曲名)を唱え、陀羅尼咒(だらにしゅ)普賢咒(ふげんじゅ)というお経(呪文)を唱えました。陀羅尼咒、普賢咒というのは法華経の中にあるお経で、サンスクリット語の音韻がとてもリズミックで変拍子の為、かなり独特です。これをなんと!ドラムの日高潤也さんが「リズム譜」(ドラムの楽譜)に起こしてくれたのです。
私がゆっくり唱えた動画を撮り、メールで何度も何度もやりとりし、日高さんが時間を掛けて楽譜にしてくれました。その結果!陀羅尼咒、普賢咒とドラムのリズムがピタッと合って、とても興味深いセッションをすることが出来ました。
おそらく、いや確実に「陀羅尼咒、普賢咒を『正確に』叩けるジャズドラマー」は日高潤也さんただひとりでしょう!(笑)時間を掛けて準備して頂いて本当に有り難かったです。「声明」を聴いた皆さんから「本当に素晴らしかった」「涙が出るようでした」と有り難いお声を掛けて頂き、これもまたとても嬉しかったです。
その後のピアノ(紫音Yascoさん)とテナーサックスのデュオ演奏もしっとりした雰囲気で、声明の後にぴったりでした。このお二人の演奏は福岡市スペーステラで聴くことが出来ます。機会があったら行ってみて下さい。とてもいい雰囲気のライブハウスです!(※スペーステラのホームページにリンクしています。)
コンサート最後の曲は常在寺住職もステージに上がり、「上を向いて歩こう」を皆さんで大合唱!会場一体となり、歌声を響かせました。この思いはきっと東北まで届いたことでしょう。
東日本大震災チャリティー募金箱を設置しておりましたので、昨日その集計を致しました。当日の募金が「15万7千841円!」、この数ヶ月間本堂に設置したあった東日本大震災募金箱に「3万3千621円」ありましたので、合計『19万1千462円』を日本赤十字社を通じて寄付したいと思います。募金して下さった皆様、本当にどうも有難うございました。
反省点も多々ありましたが(特に桟敷席の音響、来年やるならば桟敷席にスピーカー2台必ず増設します!!)第1回常在寺音楽祭「妙玄庭コンサート」はお陰様で大盛況、大成功。仏祖三宝に感謝、天地(あめつち)に感謝、ご来場の皆様に感謝感謝であります。本当にどうも有難うございました。
第2回常在寺音楽祭が開催できるよう祈っています。
※フォトギャラリーに当日の写真を掲載しています。どうぞご覧下さい。
※ビデオ撮影して下さったのは「堀池電器さん」。波佐見ケーブルテレビ、東彼ケーブルテレビで放送もして頂ける予定です。DVDの完成が楽しみです。
泰通拝