涅槃とは、ニルヴァーナの訳語であり、もともとは
『迷妄のなくなった心の境地』という意味ですが、
釈尊が亡くなったという意味で広く使われています。
実際には、釈尊が入滅した月日は不明で、南伝仏教ではヴァイシャーカ月の満月の日といわれています。ヴァイシャーカ月が、インドの暦で第二の月であることから
中国で二月十五日と定められ、日本でもこの日に釈迦の遺徳追慕と報恩の祈りを捧げます。
勝嚴寺では、釈尊が娑羅双樹の下で涅槃に入った際の、頭を北にして西を向き右脇を下にした姿で臥し、周囲に十大弟子を始め諸菩薩、天部や獣畜、虫類などまでが嘆き悲しむさまを描いた大涅槃図を、二月二十日まで掲げております。