戸守(とうぶり)御札

12月に入ると、妙勝寺では戸守経(とうぶりぎょう)が始まります。

正月を迎える準備の一つとして「戸守札(とうぶりふだ)」を持って、講中の檀家さんを中心に一軒一軒お経に伺います。
この地域独特の行事のようで、漢字の読み方も独特です。
本来、「戸守」は「とまもり」と読んでいたのではないかと思いますが、これが次第になまって「とうぶり」になったようです。歴史の古い行事だと思われます。

妙勝寺では「戸守御札」と印刷した封筒の中に2枚の御札を入れています。

大きな御札は、お題目の下に「王舎城」と書かれています。王舎城は、日蓮聖人が檀越であった四条金吾に宛てたお手紙「王舎城事」の中にも登場しますが、古代インドのマガタ国の王都です。
この御札は火除けの守護札であり総じて家の災難を除ける御札ですから、玄関にまつるお正月のお飾りに付けて災難除けとします。薄いとはいえ木の御札ですから、お飾りに付けるのはなかなか難しいのですが、檀家の皆さんはそれぞれに工夫して付けていらっしゃいます。
最近ではお飾りを付ける習慣が薄れてきていますので、そのまま玄関の内外に両面テープで貼っていただいても結構です。貼るのも難しければ、神棚やお仏壇でお祀りいただいても良いと思います。

小さな御札は「歳徳玉女大善神守攸」と書かれています。歳徳玉女大善神は、歳神様と呼ばれたりしますが、その年の福徳を司る神様です。この御札は歳神様の守護札ですから神棚でお祀りしますが、神棚がなければお仏壇でお祀りいただいても結構です。

師走の戸守経が終わると、妙勝寺では正月準備がいよいよ忙しくなります。

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