岡山立正青年会の教箋 令和5年

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岡山立正青年会では、お盆に配布できる「教箋(きょうせん)」を毎年作成しています。

「教箋」とはあまり耳慣れない言葉だと思いますが、日蓮聖人のお言葉や法華経の教えの一節などを記した細長い紙です。
教えを広めるための小さなポスターのようなものと考えればよいと思います。日蓮宗ではよく使われますが、檀家さんのお家に伺うとお仏壇の横などに教箋が貼ってあります。
日常的に使う「便箋・付箋」と「箋」の文字は一緒ですが、これは「書き付け用の細長い紙片」を意味しています。

今年の教箋は、「蓮華と申す花は 菓(み)と花と同時なり」という日蓮聖人のお手紙『上野尼御前御返事』の一節です。
 
上野尼御前とは、日蓮聖人に深く帰依していた南条兵衛七郎の妻を指します。
南条氏は幕府の御家人として鎌倉に在勤していた頃日蓮聖人の教化を受けたものと思われますが、その後駿河国富士郡の上野郷の地頭としてそこに住んでいたため上野殿とも呼ばれています。

この教箋の裏側には次のような解説が記されています。
「ほかの植物とは異なり、蓮には花が咲くと同時に実がなる特徴があります。日蓮聖人は、蓮華のたとえを用いてお題目を唱えている姿がすでに尊い仏さまだと説かれています」

これは「花果同時」と呼び習わしていますが、法華経の信仰がそのまま成仏であるとの教えです。
このお手紙でもこの後に「法華経と申すは 手に取れば その手やがて仏になり 口に唱ふれば その口即ち仏なり」と続き、「法華経を受持する人は、百人なら百人すべて、千人なら千人すべて、一人も残らずに仏になる」ということが法華経には説かれていますよ、と宗祖は上野尼御前にお示しです。

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