昨年、台風19号により破損した大覚大僧正供養塔の修復作業が終わり、以前とほぼ同じ姿を取り戻しました。
豊島石(てしまいし)はこのあたりでは、江戸時代を中心に石塔などによく使われる石です。加工しやすいが、雨風に弱いのが欠点です。
その豊島石で作られた大覚大僧正供養塔は以前からかなりひび割れが入っていました。壊れる危険性が高かったので、石屋さんに修理をお願いしていたのですが、その修理を前に昨年秋の台風にやられてしまいました。
供養塔の真ん中より上は完全に崩壊してしまい、これで本当に修復できるのだろうかと半信半疑ながら石屋さんに修復作業をお願いして5ヶ月。当初は年内に完成の予定でしたが、なかなか大変な作業だったようで、3月のお彼岸前までかかりました。
しかしながら、見事な出来映えです。外観はほとんど以前のままです。さまざまな補強作業を経て、内部はかなり強化されているとのこと。表面は土と石の粉と糊や色粉を混ぜたものを重ねて塗り上げています。特許を取った技術だそうで、水は透すけれどもコンクリート並みの強度を持ち、年を重ねると苔むしたりもするようです。
ヤレヤレ、これでとりあえず一安心です。
作業に携わった皆様、ありがとうございました。