最近のお葬式に、ひと昔とは違う変化が目立ってきたことは皆様もお感じの事と思います。ひと昔前はというと、葬儀会館(ホール)には多くの参列者が集い、多くの関係者と故人とのお別れを行う。そういった形が主流で葬儀会社は挙って広い駐車場を完備した立派な大きいホールを建てていきました。
人々は、他人に習い、自分の家の葬儀も恥をかかないように人と同じにすることで安心を得ていました。
そのもうひと昔前はどうだったでしょうか。長年住み慣れた、思い出の詰まった自宅から送り出してあげたい。ご近所の方々も最後のお別れの為として、故人の葬儀を総出で手伝い故人を送ったものでした。
こういった事は、人の価値観の変化がもたらしたものでしょう。
最近はというと、結婚式であっても葬式であっても地味に行う傾向にあります。他人にご足労を掛けたくないという思いや、なんといってもお金の問題が一番大きいのではないでしょうか。親戚もごく近い人だけに知らせ、近隣や各団体には知らせないでひっそりと行う葬儀が増えています。
お金を掛けない。お金が無いからと言いながら葬儀会館を利用し数十万円の利用料を使っているのではありませんか?
そこで、皆様に一つの提案があります。
会館ホールを使わずにお寺の本堂を使うと会館使用料はいらなくなります。
ご自分のお寺に護持会費や協力金の類を納めておられる方は、堂々と本堂をご利用ください。
では、そうした場合、他にかかる費用は一体どれくらい?
➀ご遺体をお寺までお運びする費用
②出棺までのご遺体を保存するためのドライアイス代
③棺桶代
④遺影代
⑤お花代・お供え代(盛籠)
⑥死亡届代行手数料
⑦火葬場使用料
⑧式進行のスタッフ人件費(最低一人)
⑨葬儀の挨拶ハガキや粗供養代
お寺のお布施以外にかかる費用は、これらすべてで最低およそ二十万円から二十五万円くらいでしょうか。私どものお寺では、県内の檀信徒ですとお通夜が終わればご自宅にお帰り頂いて、翌日の本葬儀に再びお越しいただくと宿泊費もいりませんし、ご遺体と共に過ごされたい方は、本堂にてお泊り頂いてもかまいません。その場合は貸布団をご利用していただくことになります。
自治公民館やご自宅の場合は、葬儀社から祭壇を借りなければならず、この祭壇費用だけでも四十~五十万円位は掛かるのではないでしょうか。
お寺には葬儀社に負けない立派なご本尊がいつもお祀りされています。その御宝前には毎日毎日、住職のお経が読み込まれているのです。借り物の形だけではないお葬式をお勧め致します。