今年も秋のお彼岸を迎えました。お寺の境内は曼珠沙華【まんじゅしゃげ】の花が満開です。彼岸の頃に咲くので彼岸花。また墓地に咲いていることが多いので、俗に死人花と呼ばれ嫌われているようですが、僕は大好きです。
なにせ、『法華経』の序品第一に「蔓陀羅華、摩訶曼陀羅華、蔓殊沙華、摩訶蔓殊沙華、而散仏上」の一節があります。これから法華経を説かれるブッダの頭上に、天界の花である蔓陀羅華【まんだらけ】と蔓殊沙華の花が降り注いで、ブッダを礼賛したということです。蔓殊沙華はサンスクリット語のマンジュシャカが転じたもので、もともとの意味は「赤い」だそうです。また、蔓陀羅華は一説では白い蓮のことだと言われ、白と赤の天界の花がブッダに降り注いだシーンを想像するだけで、なんだか幸せな気持ちになります。
今年の夏も大事な方を亡くしました。ご主人が6月に亡くなり、ちょうど1カ月後に奥さんが亡くなられました。長野県でのお葬式でしたので、悲しみを抱えて2度も往復しました。今日は午後2時から彼岸修養会が厳修され、一度に両親を亡くされた娘さんも長野から来られます。精一杯心をこめてご供養させていただきます。合掌