細草檀林(ほそくさだんりん)

この記事は最終更新日から1年以上経過しています。
記事の内容やリンク先については現在と状況が異なる場合がありますのでご注意ください。

 千葉県大網白里市細草にあるお寺、智弘院です。
 この細草という地は、江戸時代に日蓮大聖人の教えを学ぶお坊さんの学校「檀林」がありました。
 八日市場の飯高檀林、多古町の中村檀林、大網白里市の小西檀林と、千葉にはその他数多くの檀林がありました。

 細草檀林は寛永年間から明治初期までの260年余り続きますが、江戸幕府の直轄地であったため、大政奉還により明治政府によって全て没収、さらに廃仏毀釈という時代に翻弄され、檀家制度を持たなかったことから経済的支援も途絶え、廃檀廃寺となりました。
 数百名の学徒が、広い敷地の中のいくつもの建物に寝食を共にし、経を読み教えを学び、研鑽を積んでいたことでしょう。
 檀林とは「栴檀林」という意味で、法華経に「栴檀香風 悦可衆心」(せんだんこうふう えっかしゅうしん)という言葉があります。
 良き教えは、栴檀のような香しい風となって多くの人々の心を楽しませるという意味です。
 つまり、僧侶が修行と学問を積んで大成して、「栴檀」のように芳香を放つことを期待する事から、学校のことを「檀林」と呼んだのです。
 今は無い檀林の地に建つ智弘院は、一所懸命に学んだ昔の先輩たちの心を引き継ぎ、栴檀林のようなお寺にしたいと思っています。

この記事は最終更新日から1年以上経過しています。
記事の内容やリンク先については現在と状況が異なる場合がありますのでご注意ください。

一覧へ