全日本仏教青年会理事に有縁の監督によるドキュメンタリー映画「ガレキとラジオ」
広告代理店大手の博報堂の社員の梅村氏が、震災後なんども被災地に足を運び、被災者の復興への想いを目の当たりにし、自分の無力さを嘆きつつ、この被災者の「明日へ向かう笑顔」を残したいという強い想いが映画作りへの動機になったそうです。被災者が支援を受けるだけの受け身の姿勢ではなく、自ら立ち直り、着実に一歩一歩前進していこうという姿、そして互いに「助け合う」という地域の力を描かれています。まったくの素人ばかりが集まって、地域のみんなに「声」を届け、ともに前進しようとラジオ局を立ち上げ、奮闘するドキュメンタリー。自分の何気ないひとことで孫が津波に巻き込まれた…と自分を責めるおばあちゃん。まだ亡き孫と対面を果たせず、孤独と闘いながら日々を過ごす中に、小さなラジオから元気と癒しを提供してくれる声。これは遠く離れたところからではなく、同じ町の同じ被災者が、同じ境遇のみんなが発している声。それぞれ違った環境でありながら、「被災」という共通の境遇で共に進もうというチカラ。震災で結婚式を挙げられなかった多くのカップルを集めての「出発式」という名の合同結婚式。ひとりひとりが着実に進んでいる。そんな姿を描いた映画です。全日青としても震災後、皆様のご協力のもとに復興支援のお手伝いさせていただいている中で、被災者の生の声を聞いたり、辛い表情を目の当りにする中で、ほんの一瞬の「笑顔」に元気をいただいたりします。立ち止まってはいない、ゆっくりではあるけれども確実に前進していることを実感します。そのためにも風化させてはいけない、伝えなければいけない、そんな思いを強くします。順次全国でロードショーされてますが、全国の各御寺院のご本堂などでもお檀家や地域の皆様にご披露いただけるよう自主上映にも対応できるよう企画されております。まずはお近くの映画館でご覧になってください。
総務担当委員長 松森 孝雄