年の瀬が近づいてきました。
この1年は、みなさまにとって、どんな年だったでしょうか
お正月は、ふるさとに帰る、自宅でのんびりする、旅行に行く、休みなく働くなど、それぞれの予定があると思います。日蓮宗のお寺へ初詣に行くのもおすすめですよ。
田舎のお正月は、いつもより賑やかです。
実家に帰省した子供や孫、友人などが集い、生まれ育った縁が深まります。
東北岩手県の歌人、石川啄木は
「ふるさとの訛りなつかし停車場の人ごみの中にそを聞きに行く」と故郷への哀愁を詠みました。
ふるさとの訛がなつかしい。駅の人ごみの中にそれを聞きに行く。
遠く離れた東京で故郷を懐かしく思い、駅に向かい、そこで飛び交う方言の言葉を聞き、ふるさとに想いを馳せた。そんな故郷を愛する気持ちが詠まれています
ふるさとを離れると、その地元の食べ物や風景などから、懐かしさを感じることがありますが、なかでも方言や耳なじみのある言葉には、特に思い入れを強く感じます。
ふるさとだけではなく、両親や大切な人の口癖や話し方も、ふとした時によみがえるのではないでしょうか。
言葉には古くから言霊と言われるように不思議な力が宿っています。
日蓮聖人は「禍いは口より出でて身をやぶる。幸いは心よりいでて我をかざる。」と示されました。
不適切な言葉や配慮の足りない言葉は、他人を傷つけるだけではなく自らも滅ぼします。
一方で心のありようによって、よいおこないや幸せはおとずれます。
言葉の大切さと同時に、自らを飾るのは心を正しくすることであると説かれています。
幸せのもとは心にあるのでしょう。
言葉は薬にも毒にもなります。
その言葉を発するのは、私たちの心が元になっています。
イライラして、ささいな言葉により大きな喧嘩になってしまう。思いやりのある言葉で幸せになる。
どちらも、心のもとにある言葉の結果です。
心を安定させれば、言葉が温かみを持ち、優しい言葉によって心が安定するはずです。
また現代は口だけの言葉だけではなく、メールやインターネットへの書き込みなど、違った形の言葉の力があり、注意しなければなりません。
さて、皆様には1年の締めくくりに温かな言葉と穏やかな気持ちで過ごしていただきたいと思います。
ご先祖様や神仏には1年の感謝に南無妙法蓮華経とお唱えをしてください。
あなたの大切な人、職場や周りの人には温かな言葉で気持ちを伝えましょう。
お正月も休みなく働くコンビニやスーパーの店員さん、観光地の従業員さんや配送業の方など、私たちの暮らしを支える人に「お正月もありがとう」と。
自宅を彩る観葉植物に語り掛けるのもいいですね。
あなたの優しい気持ちと言葉が、自分と周りを幸せにしてくれます。
「禍いは口より出でて身をやぶる。幸いは心よりいでて我をかざる。」
心と言葉を整えて、佳き年をお迎えください。
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