師走によせて
早いもので令和5年も残り1か月。「年をとると1年が早く過ぎるわ」という言葉をよく耳にしますが、なぜだかご存知ですか?
理由は大きく2つ。
1つは、年を重ねると自分の年齢に対して1年が相対的に軽く感じてしまうこと。
5歳児にとっての1年は人生の5分の1ですが、70歳では70分の1。
もう1つは、歳を重ねると人生経験が豊富になり、それがかえって毎日の生活を新鮮味のない平坦なものにしてしまうこと。
であるならば、同じ1年を充実し心豊かに過ごすには、その逆を心がければよいのです。
過去を振り返ってばかり、年をとったことを嘆くのではなく、豊かになった人生経験を活かして前を向く。
新しいもの、ことに取り組む姿勢を忘れず、子供の頃のようなわくわくする毎日を過ごす。
お釈迦さまが最初に説かれた「ものを正しく見、正しく判断しなさい」は、毎日をより良く生きる智慧であります。残り1か月、どうか悔いのない1年となるようご精進ください。
【本遠寺 伊藤友範】