今月のおはなし 第34回

先日竹の博物館に行く機会がありました。そこには発明王エジソンの電球が展示されていました。このエジソンの電球には日本の竹が使われていたそうです。現在の「明かり」に比べれば暗く頼りないものだなぁと感じましたが、漆黒の闇夜を怖れる当時の人々にとっては暗闇を照らす輝きであったに違いはありません。口々に「暗い夜を怖れる必要はない」「暗闇という恐怖が消え去った」とこの発明を称えたそうです。
二千年以上も前にも、この暗闇を照らす発明がありました。太陽や月が暗闇を消すように、信仰に生き、信仰を実践する人は暗闇を照らし、闇を消す菩薩様ですよとお釈迦様は説かれます。あの電球の中にあるわずか数ミリの竹はもとは天にも昇る勢いを持つ竹でした。その成長しようとする力強さが、世界中の闇を消す力となったのです。私たちもまっすぐに成長する竹のように力強い信仰を持つ一人の菩薩となり、闇夜を怖れる人々の明かりとなりたいものです。
【情妙寺 林教仁】

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