日蓮宗には高座説教という伝統のお説教のスタイルがあります。
儀式あり、先師より受け継がれた日蓮大聖人のご生涯を語る「繰り弁」あり。
仮に1時間の高座説教があるとすると、暗記事項が30分ほどになる、非常に修練が必要とされるお説教です。
その高座説教に特化した研修期間が日蓮宗にはあり、それを「布教院」と言います。
日蓮宗の修行というと100日間の荒行有名ですが、布教院の大変さも決してそれに劣るものではありません。
研修中の食事等に制限はありませんが、年に1回、15日間の研修があります。
そして卒業までには最短で5回の布教院受講が必要です。
その厳しさ故、布教院卒業生は日蓮宗にわずか90名ほどしかおりません。
その厳しい布教院の卒業試験が今年も行われ、そのお見舞いに伺いに名古屋まで行きました。
法音寺様という大きなお寺が名古屋にはありますが、その本堂に満員となるお檀家様、信者様、お坊さんが集まって卒業試験のお説教を聴聞しました。
本年卒業試験を受験なされた岡山県菊岡上人は、布教院や声明の勉強会で長年ご一緒した偉大な先輩。
今まで共にした苦労や喜びが思い出されて感無量です。
1時間という時間があっという間に感じられる素晴らしい時間を体験させていただくことができました。