春よ来い 早く来い
あるきはじめた みいちゃんが
赤い鼻緒の じょじょはいて
おんもへ出たいと 待っている
春よ来い 早く来い
おうちのまえの 桃の木の
つぼみもみんな ふくらんで
はよ咲きたいと 待っている
『春よ来い』は、大正時代後期に作曲された童謡です。
作詞は早稲田大学校歌「都の西北」の作詞でも有名な相馬御風(そうまぎょふう)さんです。
最近では「春よ、来い」と言えば、松任谷由実さんの楽曲のほうが有名になってしまいました(北京オリンピックのフィギュアスケートエキシビションで羽生結弦選手も使っていました)が、松任谷さんの曲にもこの童謡の一節が効果的に使われています。
作詞の相馬御風さんは、新潟県糸魚川市の出身で、冬には雪が数メートルも積もる豪雪地帯だそうです。
真冬でもほとんど雪が積もることのない岡山市に住む私は、1月2月頃はまだ屋外は寒いので幼い「みいちゃん」は「おんも」出られないんだと誤解していました。
でも相馬御風さんのふるさとを思えば、冬の間は雪深くてとても外には出られない、だから雪が解ける春になって初めて「赤い鼻緒のじょじょはいて」外に出られる、そんな春を本当に心待ちにしている「みいちゃん」の姿が想像できました。
寒い、寒いと言いながらも岡山の冬はそれほど厳しいわけではありませんからね。
ちなみに博覧強記の副住職も、「おんも」の意味が分からないと言っていました。これも時代でしょうか。「おんも」は、家の外、おもての意味で、面(おも)から変化した幼児語です。