妙勝寺本堂の裏手に、妙勝寺歴代上人の墓地があります。
妙勝寺の開山は大覚大僧正妙実上人ですが、大覚様は中国地方で日蓮宗の布教をなさった後、京都大本山妙顕寺にて遷化されましたので、墓所は京都にあります。
妙勝寺歴代墓地には「当寺中興開基 圓種院日遇大徳」に始まり、先代住職「第五十一世 常中院日允上人」までの歴代の先師が静かに眠っていらっしゃいます。
江戸時代初期、今から300年以上前に建てられた墓石がひっそりと時を刻んでこられましたが、長年の風雪にさらされ、今では表面の文字が読めないものもあります。
殊に近年石の劣化が激しく、このままでは墓碑が完全に崩れてしまいそうな懸念がありましたが、修理の手立てもないままでした。
しかしながら、昨年台風被害により崩れた大覚大僧正供養塔が、新しい修復技術により思いのほか見事に修復できたことから、今回歴代墓碑の修復も行うことにしました。
石塔が崩れそうな墓碑と基礎が傾いてきている墓碑合わせて8基の修理を行い、先日無事修復作業が完了しました。
完全に元通りに戻すことは出来ませんが、少なくとも今しばらく現在の形を保持することが出来そうです。有り難いことです。