私どものお寺は奈良県の過疎の町にあります。田舎町故信仰熱心な人が多いとも思われますが、昨今は、こんな田舎町でさえ三離れの波が押し寄せているみたいです。
かつては、お葬式といえば、村に所在するお寺さん全てにお経を頂き、故人を送る風習がありましたが、今では、他と同様に家族葬だの直葬だのと、他に習う方々が増えつつあります。日本人の性といいましょうか、他人と同じ事をしていると落ち着く。それが本意でなくても周りの目を気にして右に習えという人は案外多いように思われます。
昭和の時代には、お寺の行事にも熱心に足を運ばれてきた人々も徐々に減り、信仰に対してありがたみを感じる人が減少しているようにも思われます。お寺の存続もそうですが、昨今の悲惨なニュースの増加を分析しますとやはり心の不健康に起因することが大きいと思われます。もっと心の勉強が出来ていたならこんな事をしでかさなかったのにと思われることがとても多いとは思いませんか?
20世紀末に、来る21世紀は心の時代とか叫んでいたように思いますが、一向にそうはなっていないのが現代です。今こそ正しい宗教が必要な時といえるでしょう。
とはいってもお寺に足を向けさすには、現代人の求めに応じた何かをお寺が持つ必要があります。今回私が霊断師を目指すようになった理由がここにありました。それは、私どものお寺のホームページを開設して以来、悩み事で相談に乗って欲しいという電話が増えてきたのです。しかし、中には霊断法をしていないのですか?とストレートに来られる方もあり、対応しかねた事実があったのです。
私自身、50歳を超えてどこまで出来るのか心配もありましたが、今回思い切って受講してよかったと思いました。自分に一つアイテムが加わり、僧侶としての自覚が以前より増したように思えます。これからは、精進を重ねて研鑽に励み不安を抱えてこられる方の手助けになればと思っています。