法華経の説法の座には、世界の四方を守る四天王もいらっしゃいました。
四天王は上は帝釈天に仕え、下は天竜八部衆を支配して、仏法とその帰依の人々を守護されます。東方を持国天・南方の増長天・西方の広目天・北方の多聞天(毘沙門天)をそれぞれ守護されます。
四天王の中で、毘沙門天と持国天はお釈迦さまの御前にて、法華経を信ずる人を守ると誓われます。毘沙門天は「法華経を信仰する人を守り、周囲が衰えることがないようにしましょう」と誓われ、持国天は「法華経の法師を害する者は、佛さまを害するに等しい。そのようなことがないように守護します」と誓われるのです。
大きなお寺の入り口を守る門に、仁王さんが祀られます。東大寺の金剛力士が仁王さんにあたります。しかし法華のお寺では、法華経の修行者を守るという誓いから、毘沙門天と持国天の、二天さんが祀られることもあります。仁王さんが祀られる門を仁王門といい、毘沙門天と持国天が祀られる門は二天門と呼ばれます。仁王さんと二天さんの見分け方は、裸形で筋骨隆々の方が仁王さん。唐風の革鎧を着た方が二天さんになります。