妙法蓮華経の持久走 二周目 十一 観世音菩薩

この記事は最終更新日から1年以上経過しています。
記事の内容やリンク先については現在と状況が異なる場合がありますのでご注意ください。

 観世音菩薩さまは観自在菩薩さまともいい、略して観音菩薩さまともいわれます。観世音菩薩さまは、世間の人々の救いを求める声に応じて、ただちに救いの手を差しのべると誓われています。また観世音菩薩さまは、人々によって最適な姿に変えて、その人を導きます。その変身する姿は、王様、長者、僧侶、または童男、童女など三十三種類あると法華経に説かれます。大火や大水の難、海中で遭難しそうな時、刀で切られようとする時、その他種々な難に遭う時に南無観世音菩薩と一心に称えれば、難を逃れることが出来ると説かれるのです。
 救いの手を差し伸べる、最適な姿で人々を導くといったことから、古来より観世音菩薩は多くの信仰を集めてきました。しかし、注意すべき点が法華経に説かれます。観世音菩薩さまに感激した菩薩さまが、瓔珞という首飾りを観世音菩薩さまに捧げます。しかし観世音菩薩さまは受け取られず、お釈迦さまに勧められて、ようやく受け取られます。そして観世音菩薩さまは、受け取った首飾りを二つに分けて、お釈迦さまと多宝如来さまに捧げます。
 観世音菩薩さまは、初め自分は首飾りを受けるに値しないと断られたのです。そして首飾りを二つに分けてお釈迦さま、多宝如来さまに捧げたのは、お釈迦さまをお手本とし、観世音菩薩さまが人々を救うことに日々励まれているからなのです。ですから観世音菩薩さまは、受け取った首飾りは自分の行いの報酬ではなく、お釈迦さまに捧げるべきでると示されたのです。
 つまり観世音菩薩さまに救いを願うのならば、自らも観世音菩薩さまを手本として、周囲の人々を助け救うという覚悟が必要だと、私は思うのです。

 十月が多忙につき、更新が遅くなりました。十一月からは、平常に戻れると思います。

この記事は最終更新日から1年以上経過しています。
記事の内容やリンク先については現在と状況が異なる場合がありますのでご注意ください。

一覧へ