客殿は、昭和61年、第70世 金子日俊猊下の御時に、頂妙寺開創500年にあたり、記念事業として新築されました。
以来、40年ちかい年月を重ねますと、廊下の柱が腐食してまいりました。この度の諸堂改修にあたり、工務店の方々と相談しましたところ、腐食した部分を切断し、新たな角材を継手することになりました。
柱の横をジャッキアップし、風雨により腐食した柱の根元を切断します。新たな角材を継ぐとともに、基礎の石と柱の接地面に一枚、角材をはさみ、今後腐食したさいは、はさんだ角材のみを交換します。
角材の継手は、柱の腐食の進行具合によって異なります。書物でした見たことのない継手に、職人さんの技術を感じます。
左上 昭和61年新築の客殿。
左下 腐食した柱。菌もしくはカビにより腐食したと推測されます。
右上 ジャッキと継がれた柱。
右下 上部が元の柱。中部が継がれた角材。基礎の石と角材の間に一枚はさみ、腐食した場合
は、はさんだ角材のみを交換する。