本年の御会式において、金山家より御奉納頂いた、御首題について紹介します。
御首題は、金山家の当代が、家宝の散失を憂い、頂妙寺に御奉納されました。
頂妙寺第 八 世 精進院日龍上人
(一五九四~一六六九)
本法寺第十八世 本通院日允上人
(一六一九~一六九二)
立本寺第二十世 霊鷲院日審上人
(一五九九~一六六六)
の三幅の御首題で、頂妙寺日龍上人、立本寺日審上人の御首題には、明暦元年(一六五五)の記載があります。
金山家は十五代を数え、本阿弥光悦の縁者となります。江戸時代初期、金山家と土田家婚姻関係にあり、土田家の妻女は本阿弥家と出身でした。洛北鷹峯の光悦町古図には蒔絵師土田宗沢、土田了左衛門の名が示されており、本阿弥光悦の鷹峯芸術村に参加協力していたと考えられます。
また本法寺日允上人は、本阿弥光悦の孫にあたります。
此度の三幅は表装、体裁が整っており、記載された年号からも同時期にしたためられたと考えられます。法華の信者であった金山家が、日允上人に頼み、日龍上人、日審上人の御首題を賜ったとも推察されます。
各本山の三人の猊下については、後日ご紹介させて頂きます。