曼殊沙華(まんじゅしゃげ)

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 今日は秋分の日、秋のお彼岸法要です。お寺の境内には彼岸花が満開です。あれだけ猛暑が続いたのに、ちゃんと季節にあわせて咲いてくれました。ここ近年はなかなかお彼岸の中日に満開なることはなかったんですが、急に涼しくなったからでしょうか。
 彼岸花は曼殊沙華とも呼ばれますが、曼殊沙華は法華経などの仏典に出てくる空想上の花。サンスクリット語で「天界に咲く花」という意味で、めでたいことが起こる兆しに天から降ってくる花のことです。また、彼岸花は死人花とも言われ、墓地や田んぼの畦に群生して咲いていることが多いのですが、それにはちゃんとした理由があるのをご存じですか?一つは彼岸花は球根ががっしりと密集するので、土が崩れるのを防ぎます。もう一つの理由は球根には毒があるので、ミミズが寄って来ません。だからミミズを食べるモグラも寄って来ないということで、遺体を荒らされることがないという先人の智恵だったんですね。
 彼岸花は毎年季節になると咲いてくれますが、去年のお彼岸法要にお見えになった方が、今年はそのお姿を拝見することができない。最近はそんなふうに迎えるお彼岸法要が増えてきたよにう感じます。ちなみに彼岸花の花言葉はたくさんあるみたいですが、その一つが「悲しい想い出」。でも、もう一つ「また会う日を楽しみに」というのもあります。
 お彼岸は貪・瞋・癡(とん・じん・ち)の三毒を克服することを誓う一週間。お彼岸の回向文の中にも、「仰ぎ願わくは一切衆生未だ貪(むさぼ)りの心を離れざる者には願わくは貪りの心を離れしめ、未だ瞋(いか)りの心を離れざる者には願わくは瞋りの心を離れしめ、未だ愚痴の心を離れざる者には願わくは愚痴の心を離れしめ」とあります。
 今年は豪雪に始まり、豪雨・台風・大阪府北部地震・北海道胆振東部地震と災害が相次ぎ、国内政治は迷走を続けており、日蓮大聖人が『立正安国論』を鎌倉幕府に奏進した時代と様相が酷似しています。法要は午後2時から。法華経の弘通を誓うとともに、被災者の方々の安寧と一日も早い復興を祈らせていただきます。
 

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