白蓮寺通信

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ここのところ一段と冷え込みが厳しくなってきました。当家も家族が順番に風邪をひいてますが、ありがたいことに1歳の娘は風邪もひかずに元気にしていてくれて、親孝行な子供です。

さて、昨年末に発送しました白蓮寺通信冬号の内容の一部を紹介します。

「不妄語戒」(ふもうごかい)
昨今、再び食べ物に関する「偽装表示」が大手ホテルなどでも発覚し全国的な問題とし て広がっております。某ホテルの社長の会見は、お客を軽視し、自分達の都合を重視するような、見苦しい言い訳をしておりましたが、結局社 長は辞任に追い込まれました。老舗が長い年月をかけて代々築いてきたお客様からの信用や、培ってきたブランドが「1つの嘘」で、一瞬にし てなくなってしまいます。ですから「嘘・偽り」は本当に怖いものなのです。
仏教には僧侶以外の一般人の為に5つの戒めがあり、その中に「不妄語戒」がありま す。不妄語とは、嘘のことで、嘘・偽りを慎むようにお釈迦様は戒めております。「どのようにして人は生きていくべきか」を考えに考え抜い たお釈迦様が説いた基本的な5つの戒めの中に「不妄語戒」がある訳ですから、深い教えであり大切であることは間違いありません。
しか し、仏教の五戒は戒めといっても他宗教と違い、神から一方的に人に与えられた掟ではなく、あくまでも人生の指 針であり自発的に慎む戒めであります。お釈迦様の教えの究極は業(カルマ)の法則で、全 ては自業自得であると私は理解しております。
嘘・偽りの反対語は「正しい」です。正しいという字を分解しますと、「一」と「止ま る」に分けることができます。偽か正か。善か悪か。私達は一つ一つの行為をする前に一度立ち止まって考えなければ正しい行動はとれないの です。
 1人1人が一度止まって、行動の前に善悪を考えなければ、ますます日本人 のモラルは崩壊してしまいます。モラルが崩壊した後にあるのは、善悪を自分で判断することすら出来ない訴訟社会です。
私 は海外布教に出て外国に住んで改めて感じたことは、日本人の礼儀正しさと誠実さです。「不妄語」を慎むこと、悪い業を積まないこと、これ に勝る人としての美徳は他にないと思います。(康)

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