8月13日 白蓮寺に於いてお盆の法要が行われました。大変暑い中、有難いことに本堂に入りきれないほどの方が参拝して下さいました。
ご都合で参加できない方もいらっしゃいましたので、法要でのお話を紹介させていただきます。
本日は大変暑い中ご参拝いただきましてありがとうございます。
節電が叫ばれているご時世ですが、どうか皆さんあまり無理はなさらずに、必要な時にはクーラーを使っていただき、水分だけではなく塩分も摂って熱中症にはくれぐれもお気を付けいただきたいと思います。
さて、白蓮寺は皆さんもご存じの通り、私が初代の住職として設立したばかりの寺で、ご覧のとおり小さな寺ですので、普段は私一人で仏事をしておりますが、今日は、新盆を迎える仏様のご供養、並びにお施餓鬼供養ですので、僧侶3人で法要を執り行い、懇ろに皆さまの亡きご家族のご供養と、全ての精霊に対してと供養をさせていただきました。
今日皆さんが大変暑い中、白蓮寺まで足を運んでいただき、有難いお布施を包み、お焼香をして、そして手を合せて南無妙法蓮華経と唱えていただいたその善行とその功徳は、必ず亡きご家族に届いていると信じております。
こう毎日暑いと汗をかいて、体もベタベタになりますので、シャワーを浴びた後や、お風呂に入った後はさっぱりしますよね。実は私は昔からの習慣で、1日に何度もシャワーを浴びるくせがありまして、よく、家内には、漫画のドラエモンでよくお風呂に入っている、しずかちゃんみたいだ、と呆れられておりますが、やはり、何日も体を洗わないと垢や汚れがたまってしまいます。でも、毎日汚れが溜まるのは体だけではありませんで、私は私達の心も同じです。私たちの心も洗わずに放っておくと垢が汚れがたまってしまいます。
では、心が汚れるとはどういうことかといいますと、仏教では「貪、儘、痴」と言われる3つの毒がありまして、この3毒によって私達の心は汚れてしまいます。お釈迦様の説いた3つ毒とは何かといいますと、人間の持っている3の煩悩を指します。
1つ目は貪。いつまでも満足出来ない欲望や執着心といった貪りの心です。
2つ目は儘。嫉み、恨み、憎しみといった怒りの感情です。
3つ目は痴。物事の道理や真理を理解できない愚かな考えです。
私達の心は知らず知らずのうちに毎日この貪、儘、痴に毒されているのです。
私達はお釈迦様と違って道理が直ぐに分かりませんから、直ぐにイライラして怒ったり、欲を出しては余計に苦しんでしまいます。世の中で毎日起こる全ての犯罪は、実はこの貪儘痴の3毒が原因であることが分かります。ですから、この貪、儘、痴で汚れた私達の心を毎日洗わずに放っておくと、大変なことになってしまいます。
身体はお風呂で洗えば奇麗になりますが、心はどう洗えばよいかといいますと、それは今日、皆さんが手を合せて一生懸命唱えていただいたお題目、南無妙法蓮華経を唱えることです。まず、最初に合掌することが大切です。日蓮宗の本部でも、この合掌を坊さんだけではなく広く一般の人にも広めようと活動をしております。不思議と合掌をすると、心が穏やかになるのが分かると思います。インドでは、昔から右手が清浄、左手が不浄と言われ、右手で物を食べて、左手お尻を拭きます。その右手と左手を両方合わせることで調和を表しているのです。実際に私達の体の中にも、善玉や悪玉といわれる菌が無数にいて絶妙なバランスで存在していいます。必ずしも善玉だけが増えれば良いという訳ではなく、逆に悪玉菌が増えすぎても体に悪影響を及ぼしてします。これと同じように合掌は善悪や陰陽の相反するものの調和を表しているから、合掌すると不思議と穏やかな気持ちになるのかも知れません。そして南無妙法蓮華経には、お釈迦様の悟りのエッセンスが詰まっておりますので、貪儘痴の3つの毒を取り除いてくれる妙薬なのです。
どうぞ、皆さんも朝でも仕事帰りでも少し時間のある時で結構ですので、ご本尊の前に座り合掌をして南無妙法蓮華経と唱えて下さい。必ず心の汚れを取り除いてくれますので是非実践してみて下さい。
今日はお盆の迎え火です。お墓でお迎えをしても結構ですし、ご自宅で迎え火をして迎えても結構です。亡きご家族や、先祖様が懐かしいお家に里帰りしている間は、生前好きだった食べ物や飲み物をお供えして出来る限りご供養をしてあげて下さい。
南無妙法蓮華経