「自分を幸せにする単純なルール」

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人生の目的は人それぞれ、時により変化していくものだと思います。
でも人生の中で「自分を幸せにしたくない」という人は少ないのではないでしょうか。
ブッダはこの様に語ります。
「自分を幸せにする道は一つ、それは自分を大切にする事である。」
当たり前過ぎて拍子抜けするかもしれませんが、この当たり前の事をブッダは幾度となく語りました。
「自分を大切にする事」と「利己的になる事」は違います。
利己的になるとは、自己中心的に物事を考え、自分さえ良ければ、と行動する事です。
では、自分を大切にする、とはどういう事でしょうか。
それを考える前に、まず「自分という存在」を考えてみたいと思います。
仏教には「諸法無我」(しょほうむが)という教えがあります。「無我」と聞くと、なんだか自分なんて無いんだ、とか虚無主義的に感じるかもしれません。
しかし、仏教が伝えたい事は「自分とは様々な人や自然、モノゴトから恵みを受け、その影響を受けながら存在し、単体で成り立っているものではない。それ故に常に変化し続けるものだ」という事です。
自分という存在が様々な縁により成り立ち、不変で固定的な存在ではないという教えです。
自分の構成要素を見てみますと、両親を初めご先祖様から頂いた命・体をベースにしながら、毎日、色々な食材により命を継いでいます。さらに心の中を覗いてみますと、家族や会社の人々もいますし、となりの山田さんもいます。多少の差はあれ、色々な人の影響が自分の中に存在しています。
様々な人々が自分の中に存在し、自分を形成している事に気がつくと思います。
例えば、“自分”というマンションがあると思って下さい。
「メゾン・ド・ジブン」には沢山の人が住んでいます。
住人は出入りしますが、マンションを形成する大切な要素ですよね。
つまり「メゾン・ド・ジブン」を大切にするとは「住人」を大切にするという事です。
もちろんマンション自体のメンテナンスも非常に重要な事です。
その上で、マンションに住む人々を大切にし、丁寧に接する事が、マンション自体の質を高め、「メゾン・ド・ジブン」という全体の価値を高める事になります。
同じように「自分を大切にする」とは「他者を大切にする」という事です。
自分を構成する様々な人々や、影響を受ける自然やモノゴトを大切にし、丁寧に接していく事が、自分を大切にし自分を幸せにする事へと繋がります。
本当に自分を幸せにする生き方は、他者も幸せにします。
そして社会の幸せへと広がっていきます。
このような生き方をする人を、仏教では「菩薩」(ぼさつ)呼びます。
菩薩とは、“自分の幸せだけ”を求めたり、“他者の幸せだけ”を求めるわけでもありません。
「自分の幸せと他者の幸せを重ねて行動出来る人」を指します。
菩薩と聞くと、仏像や信仰の対象が思い浮かぶかもしれません。
しかし、菩薩とは「自分を大切にし他者も大切にする人」です。
その生き方をする人達、全てを菩薩と呼びます。
菩薩とは生き方なんですね。
毎日、会社の人に心を込めてお茶出しをする“あなた”は「気づかい菩薩」です。
何事にも真剣に取り組む、少し暑苦しい“あなた”は「情熱菩薩」です。
世界は、そんなちょっとした菩薩達によって支えられています。
この夏“あなた”は何ボサツになりますか?

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