「娑婆」の字はシャバと読みます
大昔の映画などで「シャバの空気はうまいな~」というセリフを耳にします。
軍隊の映画だったか、刑務所から出所してきた受刑者のセリフだったかさだかではありませんが、シャバとは世間の事だと思って観てました。
私たちは、毎日シャバの空気を吸っているので、旨いのか旨くないかわかりません。毎日美味しいものを食べていると、その味覚が麻痺するようなものなのかもしれませんね。
中国を経由して日本に伝来
娑婆の語源は仏教の発祥地であるインドの言葉で、「サーハー」という言葉を、中国の僧侶は音を漢字にして「娑婆」としました。
サーハーの音を写して「娑婆」としたただけなので、漢字に意味はありません。サーハーを日本語に訳しますと、「忍土」(にんど)となります。
「忍土」とは「堪え忍ぶ世界」という意味で、私たちの世間は諸々の苦しみから堪え忍んで生きていかなければならないのが、この世だといわれます。
諸々とは、「四苦八苦」のことで、これは以前にも書きましたので、説明は省きますが、苦しみの世界の空気が「うまい」と思うのは、やはり麻痺しているのかも知れません。
本当にうまい空気はどこにあるの?
日蓮聖人は、「釈迦仏の本土は実には沙婆世界なり」とおっしゃっています。(下山御消息)また、「浄土というも穢土(忍土)というも土に二つの隔てなし」とあります。(一生成仏抄)
つまり私たちの世間は、私たちの心の持ちようで、浄土にもなり、堪え忍んで生きていかなければならない、忍土にもなるのです。
そういう意味では、刑務所から出てきた人の心には、シャバは浄土と映ったのは、あながち間違いではないのかもしれません。
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