~ 最愛の人を失った貴方へ ~
皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
貴方の心が、この3分間によって少しでも心安らかになりますように。
私達は、辛いこと、悲しいこと、苦しいことに満ちた、思い通りにならない世界に生きています。
仏教では、愛する人と別れることの辛さを「愛別離苦(あいべつりく)」と説かれます。この世に生きる全ての人がこの苦しみを経験します。中でも一番辛いのが、最愛の人との死別でしょう。
しかし、どんなに悲しくても辛くても、残された私達はこの世で生きて行かなくてはいけません。
何でもない時、突然涙が出たり、自分や他人を責めてしまったり、将来が真っ暗で不安と恐怖に押しつぶされそうになったり、もう生きていても仕方ないと思ってしまうこともあるかもしれません。
無理もありません。生きていけないほど、貴方は悲しくて辛いのですから。
このような状態になってしまうのは、亡くなった方への愛情が深かったという証でもあります。
このような状態を自ら非難したりするのではなく、受け入れ、大事に見守ってほしいのです。
最愛の人を亡くした時は、心に大ケガをするのと同じであり、まるで集中治療室に入っているような状態なのです。
ですから、なかなか簡単に回復することはできなくて当然です。
悲しみを癒やすには、「時」という薬が、ゆっくりですが癒やしてくれるのです。
毎日毎日思い出して悲しみに暮れていた日々が、一日おきになり、三日おきになり、段々と歳月が悲しみを和らげてくれるのです。だから、どうか安心してください。
「悲しみ」は忘れることはできないし、忘れなくて良いのです。
この世では、悲しむほど愛しい人に出会えたのですから、多くの素晴らしい喜びがあるということに、気が付いて頂きたいのです。この世でこそ出会えることが沢山あるから救われるのです。
日蓮聖人は、夫を失い悲しみに暮れ、亡くなった夫のところに行きたいと願う女性に対し、その悲しむ心を否定することなく寄り添い、諭されました。
大ケガをした心の傷は、完全に消えることはないかも知れません。しかし、その痛みは時とともに確実に弱まっていきます。いつか必ずこの暗闇から抜け出せると信じてくださいね。
この生きている世の中は、寂しい、悲しい、愛しい全部がある尊い場所なんですから。
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